土佐山地域

土佐山地域

オーベルジュ土佐山ができるまで

土佐山には、 おいしい食材を届けたい、美しい産品を届けたい、
という村人たちの想いから生まれる、自慢の特産がたくさんあります。

『地域の味は、財産やき』あじさいグループ

2024 .10 .14

オーベルジュ土佐山に隣接する中川直売所「とんとんのお店」や、地域イベントの商品づくりなどを担っている「あじさいグループ」 の鎌倉勝子さん・和田和恵さんにお話をお聞きしました。

——— 今日は、お二人が所属している 「あじさいグループ」のお話を聞かせて頂きたいと思います。まずは、生立ちから聞かせて頂けますか?

勝子 私はね、土佐山の西川地区生まれ。百姓の家で、7人兄弟の末っこ。

——— 今住まれている中川地区に移ったのは、旦那さま(鎌倉寛光さん)との出会いですか?

勝子 うふふ。そうやね。地域の青年団を通じて出会ったの。結婚して48年くらいかしら。

和恵 私は、旧高知市一宮生まれ。みんなによく、土佐山生まれ土佐山育ちって言われるんやけど。違います(笑)。

——— 土佐山との出会いは、どんなきっかけだったのですか?

和恵 高校のクラスメイトが土佐山の子で、土佐山が100周年時の夏祭りに、ヘリコプターに乗れるという誘いをきっかけに、土佐山に初めて訪れたの。

お義母さんのホウレン草の甘さが、
衝撃的やった。

——— 土佐山の 印象はどうでしたか?

和恵 第一印象はね、山ばっかり….(笑)。びっくりしたのは、道のカーブで、これでもかっていうくらい、車のクラクションを警戒音として、たくさん鳴らしていたことと、友人宅で朝目覚めたら、川の音がザーザー聞こえてきたこと!

——— 自然を目の当たりにしたのですね。和恵さんは、Iターンということですが、土佐山への移住のきっかけは?

和恵 高校卒業後に、土佐山の友人からの紹介で出会ったのが主人やった。嫁入りと同時に土佐山に移住してきたのね。土佐山にお嫁に来て、一番おどろいたことは、お義母さんのホウレン草が、まあ甘かったこと!! 生でも根っこも食べられる。妊娠中、食欲ない時にもよく頂いていて、こんなに美味しいもんって思った。本当に衝撃的。野菜の味が、スーパーのものとは全然違う。

——— やはり土が違うのでしょうか?

勝子 そうやね。特に冬の寒さに耐えた野菜はおいしいね。素材の味がいちばん。トマトやきゅうり等を収穫して、そのままかじるのが、最高に美味しい。

——— そんなお二人が所属している「あじさいグループ」ですが、いつ発足したのですか?

勝子 何年に始まったろうか(笑)。間違ったらいかんきよ、虎の巻を持ってきたがよ。出来たのは、平成10年5月3日。今から17年前ね。

——— それって、オーベルジュ土佐山が出来た時ですね?

勝子 そう。オーベルジュ土佐山設立時に、 「とんとんのお店」もできて、 その時に「あじさいグループ」もできた。とんとんまんじゅう等は設立前に練習しよったけんど、まんじゅうがユーホー(ダラッとたれてしまう)になって、ちっとも作れんかった。何回もやり直しゆううちにやっと原因がわかったわね。


(オーベルジュ土佐山に隣接している、中川直売所「とんとんのお店」)

——— どういった活動をされているのでしょうか?

勝子 発足当時は「とんとんのお店」で売る商品の開発からスタートして、四季を食する会や、月見会、夜の運動会などでも作りよった。いまはそういった行事が減ってはいるけんど、「あじさいずし(田舎寿司)」や「てんごのかあ(漬け物)」など、お店の商品を作ったり、梅祭りや棚田キャンドルなどの地域イベントの出店、地元の草刈りや景観整備などの時にお料理を準備したりやね。棚田キャンドルの田芋の田楽は人気。特に、つけるお味噌を欲しがる。

和恵 なるべくここにある素材で作ってるやね。旬の素材を使うので、あじさいずしは、季節によって、上にのせる素材が変わっていくし、てんごのかあも中身が変わる。


(左: みょうが・りゅうきゅう・たけのこ・こんにゃくなど、山の幸を生かした田舎寿司「あじさいずし」。 右:鯖の姿寿司やこんにゃくのお刺身など、地域イベントでのお料理。)

地域の味は、財産やき。

——— 活動をされていて嬉しいことは何でしょうか?

和恵 お客さんが「おいしい〜」と言ってくれる瞬間が嬉しいやね。美味しいからお土産に買っていくって言っちょってくれると、また嬉しいねぇ。「とんとんのお店」で、それを目の当たりにできるのが本当に嬉しい。

勝子 部落の行事でも注文してくれるし、だれちゅう時に美味しいものが食べれて、うれしいって、言ってくれる。

——— これからの「あじさいグループ」はいかがでしょうか?

和恵 ここに定住して、地域を盛り上げてくれる人がほしいやね。地域の味は、財産やき。腰を据えて、一緒にその味を守っていく人が必要やね。

——— 和恵さんが、土佐山に移住されて良かったと思うことは、どんなことですか?

和恵 採れたての新鮮な野菜が、とっても美味しいことかなぁ。あと、土佐山は、星がすごくきれい。月が太い!

——— 未来の子供たちに残していきたいことは何でしょうか?

和恵 その時期に食べられる、旬の美味しい食材を残していきたいやね。お義母さんのホウレン草のように、その土地にしか出来ないものは、とても大事。いつもお義母さんが言うのは、作り手が分かる野菜やき、安心して食べられるって。自分で食べたいものは、なるべく自分で作る。作り手が分かっちゅうのは、太い。

勝子 土佐山は水と空気がきれいやし。そこで育ってるがやき、最高においしい。

——— 土佐山には、うつくしい鏡川があるし、資源の宝庫ですよね。そして、とんとんのお店で売っている野菜も、新鮮でおいしく、いつも楽しみにしてます。地域の味を守っていきましょう!!


(とんとんのお店にて。左: 鎌倉勝子さん、右: 和田和恵さん)

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< お話をうかがった人 >
鎌倉 勝子(かまくら かつこ)
土佐山西川地区生まれ。あじさいグループ代表。好きなことは、一日の終わりに、ゆずを入れて薪風呂に入ること。ほぎほぎと身体の芯まで温まる。

和田 和恵(わだ かずえ)
旧高知市一宮生まれ。結婚を機に、土佐山へ移住。好きなことは、地元で穫れた、新鮮な野菜を食べること。

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